ウソ

「開業届を出していなければ経費は認められない」は本当?

掲載日:2026年10月28日
分野:経費・必要経費

「開業届を出していないから、経費は落とせない」。開業したばかりの人や、副業を始めた人から、よく聞く言葉です。税務署に届けを出していないのだから、事業として認めてもらえない。そう説明されると、納得した気持ちになります。

ところが、所得税法を読むと、必要経費の条文には開業届の話が出てきません。経費を引けるかどうかは、届出の有無ではなく、その支出が事業の収入を得るために必要だったかで決まります。開業届は、別の目的で設けられた届出です。この2つは、分けて考える必要があります。

税金の言葉、先に5つだけ

この記事に出てくる言葉を、先にやさしく説明します。

  • 事業所得=事業から生じる所得。売上から必要経費を引いて計算します
  • 必要経費=事業の収入を得るためにかかった費用(売上原価、販売費、一般管理費)
  • 開業届=事業を始めたことを税務署に知らせる届出。正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」
  • 青色申告=帳簿をきちんと付ける人のための申告。税務署の承認が必要です
  • 白色申告=青色申告の承認を受けずにする申告

結論

  1. 事業所得の金額は、その年の総収入金額から必要経費を引いて計算します(所得税法27条2項)。[1]
  2. 必要経費の条文(同37条1項)に、開業届を出したかどうかという条件はありません。対象は不動産所得・事業所得・雑所得です。[2]
  3. 開業届は、事業の開始を税務署に知らせる届出です(同229条)。期限は、いまは「その年分の確定申告期限まで」です(令和8年1月1日以後に始めた事業。それ以前は1か月以内)。[3][15]
  4. 経費を引くのに必要なのは、事業の実態と、支出を記録した帳簿・領収書です。届出の有無ではありません。[7][10]
  5. ただし、青色申告の特典(青色申告特別控除と、赤字の3年繰越)は、別の承認申請が要ります(同143条・144条・70条)。控除はいまは10万円・55万円・65万円、令和9年分からは10万円・65万円・75万円です。[5][6][8][19][20]

判定は「ウソ」です。開業届の有無は、経費を認めるかどうかの条件ではありません。ただし、話が混ざりやすい場所が1つあります。青色申告の特典です。その前提になるのは開業届ではなく、青色申告承認申請書の提出と承認です。この2つを分けて読むと、判断を誤りません。

事業所得は、収入から必要経費を引いて計算します

まず、事業所得の計算を条文で確かめます。

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。 [1]

(所得税法第27条第1項)[1]

事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。 [1]

(所得税法第27条第2項)[1]

訳すと、事業所得は「1年間の収入金額-必要経費」です。ここに開業届という言葉は出てきません。届出をしたかどうかで、計算の式が変わるわけではない、ということです。

必要経費の条文にも、届出の条件はありません

次に、必要経費を定めた条文を見ます。ここが、この話の中心です。

その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。 [2]

(所得税法第37条第1項)[2]

条文の条件は、「その収入を得るために直接に要した費用」と、「その業務について生じた費用」の2つです。開業届を出したかどうかは、書かれていません。

もう1つ、見落とせない点があります。この条文の対象は、不動産所得・事業所得・雑所得の3つです。給与所得は入っていません。逆に言えば、事業所得として認められず、雑所得として計算することになっても、その計算で必要経費は引けます。所得の区分が変わっても、経費を引く道は残ります。

国税庁も、必要経費の範囲を同じ形で説明しています。

(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額 [7]

(国税庁「No.2210 必要経費の知識」)[7]

ここにも、届出の話は出てきません。

開業届は、何を定めた届出なのか

では、開業届は何のためにあるのか。条文を見ます。

その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない。 [3]

(所得税法第229条第1項)[3]

開業届は、事業を始めたことと、その事業の概要を税務署に知らせる届出です。義務ではありますが、経費を引くための条件として置かれたものではありません。条文の目的が違います。

ただし、この「確定申告期限まで」は、令和8年1月1日以後に生じた事実に適用されます。改正前の条文は、こうでした。

その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。 [4]

(所得税法第229条第1項。2025年12月31日時点の条文)[4]

この改正は、令和5年度の税制改正(所得税法等の一部を改正する法律、令和5年法律第3号)によるもので、令和8年1月1日から施行されました。同法附則第1条6号イが、229条の改正規定の施行日を令和8年1月1日としています。適用の切り分けは、附則第10条が定めています。 [15]

新所得税法第二百二十九条又は第二百三十条の規定は、それぞれ令和八年一月一日以後に生ずる新所得税法第二百二十九条に規定する事実又は新所得税法第二百三十条に規定する事実について適用し、同日前に生じた旧所得税法第二百二十九条に規定する事実及び旧所得税法第二百三十条に規定する事実については、なお従前の例による。 [15]

(所得税法 附則(令和5年3月31日法律第3号)第10条)[15]

切り替わった時点は、e-Gov法令検索で時点を指定すると、条文の側から確かめられます。2025年12月31日時点の第229条は「一月以内」、2026年1月1日時点の同条は「確定申告期限まで」でした。 [3]

つまり、令和8年1月1日以後に開業した人は確定申告期限まで、その前に開業した人は旧法の1か月以内、という切り分けです。国税庁の手続案内も、いまの書き方に合わせています。

事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください。 [9]

(国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」)[9]

たとえば、令和8年5月に開業した人の期限は、令和8年分の確定申告期限です。所得税法120条は、その年分の申告書を、翌年2月16日から3月15日までの「第三期」に提出するものとしています。

第三期(その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間をいう。以下この節において同じ。) [12]

(所得税法第120条)[12]

つまり期限は、翌年3月15日(令和8年分なら令和9年3月15日・月曜日)です。国税庁の「新たに事業を始めたときの届出など」でも、開業届の期限は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」と示されています。 [11]

よく聞く「開業届は2か月以内」という説明は、期限の取り違えです。2か月以内が当てはまるのは青色申告承認申請書で、しかも1月16日以後に開始した場合だけです(あとの節で条文を引きます)。開業届の期限は、改正前が1か月以内、いまはその年分の確定申告期限までです。

なお、229条には届け出なかった場合の罰則がなく、罰則の章(第238条から第243条まで)にも229条の届出違反を罰する規定はありません。罰則があるのは、申告をしなかった場合などです。

その提出期限までに提出しなかつた者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。 [14]

(所得税法第241条)[14]

開業届とは別に、出し忘れると困る書類

経費は引けます。困るのは、青色申告の承認申請書を出し忘れたときです。

青色申告は、届け出れば自動的に選べるものではありません。税務署の承認が要ります。

納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、確定申告書及び当該申告書に係る修正申告書を青色の申告書により提出することができる。 [5]

(所得税法第143条第1項)[5]

承認を受けるには、申請書を出します。期限も決まっています。

その年三月十五日まで(その年一月十六日以後新たに同条に規定する業務を開始した場合には、その業務を開始した日から二月以内)に、当該業務に係る所得の種類その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。 [5]

(所得税法第144条)[5]

ここが、混同しやすいところです。開業届と、青色申告承認申請書は、別の書類です。144条は申請書の提出を求めていますが、開業届の提出を要件とはしていません。開業届を出しただけでは青色申告になりませんし、逆に、開業届を出していないことが青色申告の承認を直接妨げる条文もありません。

国税庁の手続案内でも、この2つは別の手続として案内されています。期限も別なので、注意が要ります。開業届はその年分の確定申告期限まで。青色申告承認申請書は、1月16日以後の開業なら開始日から2か月以内です。

特典の条文も、見ておきます。控除を受けられる人を、条文がはっきり書いています。

青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人のその承認を受けている年分(第三項の規定の適用を受ける年分を除く。)の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額は、所得税法第二十六条第二項、第二十七条第二項又は第三十二条第三項の規定により計算した不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額から次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除した金額とする。 [13]

(租税特別措置法第25条の2第1項)[13]

「承認を受けている個人」です。開業届を出した人、ではありません。

青色申告の特典は、金額で見ると差が大きいものです。

原則としてこれらの所得を通じて最高55万円(令和元年以前は最高65万円)を控除することとされています。 [8]

(国税庁「No.2070 青色申告制度」)[8]

電子帳簿保存(※)またはe-Taxによる電子申告を行っている場合は、最高65万円の青色申告特別控除が受けられます。 [8]

(国税庁「No.2070 青色申告制度」)[8]

令和9年分からは、控除の上限が上がります。国税庁は、令和9年分の確定申告から、優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存を行っている人について、最高75万円の控除を案内しています。 [20]

前項第一号中「六十五万円」とあるのは、「七十五万円」として、同項の規定を適用することができる。 [19]

(租税特別措置法第25条の2第5項。令和9年1月1日時点の条文)[19]

適用は令和9年分からです。令和8年分以前は従前どおりだと、附則が定めています。

新租税特別措置法第二十五条の二の規定は、令和九年分以後の所得税について適用し、令和八年分以前の所得税については、なお従前の例による。 [19]

(令和8年法律第12号 附則第33条)[19]

控除の額と要件は、次のように変わります。

時期控除の額主な要件
令和8年分まで10万円・55万円・65万円55万円・65万円は複式簿記で記帳し、期限までに提出。55万円は書面でも可、65万円はe-Taxか、優良な電子帳簿の保存(届出が要る)
令和9年分から10万円・65万円・75万円10万円は簡易な記帳でも可(前々年分の事業所得の収入金額が1,000万円を超えると不可)。65万円は複式簿記+e-Tax(期限内の送信)。75万円は、さらに優良な電子帳簿の保存かデジタルシームレス保存と、その年分の確定申告期限までの届出

(国税庁「No.2070 青色申告制度」・国税庁リーフレット「75万円の青色申告特別控除」)[8][20]

気をつけたいのは、時期です。75万円が使えるのは令和9年分の申告からで、その申告は令和10年2月16日から3月15日までです。それまでは、10万円・55万円・65万円の世界です。「最大75万円」だけを覚えると、今年の申告で額を取り違えます。令和9年分からは、書面で申告すると上限が10万円に下がり、65万円・75万円はe-Taxでの提出が前提になります。ただし、10万円にも条件が付きます。65万円・75万円に当たらず、前々年分の事業所得の収入金額が1,000万円を超える人は、10万円も受けられません。

赤字の繰越も、青色申告が前提です。

その年の前年以前三年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額 [6]

(所得税法第70条第1項)[6]

開業してしばらく赤字が続く時期に、この3年繰越が使えるかどうかは大きい差になります。ここを逃すと、翌年に黒字が出ても、前年の赤字と相殺できません。

整理すると、こうです。

書類期限出さなかったときに起きること
開業届(229条)開始した日の属する年分の確定申告期限まで経費は引ける。事業の開始を税務署に知らせていない状態が続く
青色申告承認申請書(144条)原則3月15日まで。1月16日以後の開始なら開始日から2か月以内青色申告特別控除(いまは10万円・55万円・65万円。令和9年分からは10万円・65万円・75万円)、事業の赤字(純損失)の3年繰越を受けられない(被災事業用資産の損失などは別)
収支内訳書(白色申告)確定申告書に添付収入と経費の内訳を申告書に示せない(確定申告書への添付が求められている。No.2080)

(所得税法229条・144条、国税庁「No.2070」「No.2080」)[3][5][8][10]

白色申告でも、経費は引けます

「青色申告をしていないと経費が引けない」という説明も、よく見ます。これも違います。白色申告は、青色の承認を受けずにする申告です。所得の計算そのものは、同じ37条で行われます。

国税庁は、白色申告者にも記帳と書類の保存を求め、申告書には経費の内訳を付けるよう案内しています。

また、確定申告書を提出する場合には、総収入金額や必要経費の内容を記載した書類(収支内訳書など)の添付が必要になります。 [10]

(国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」)[10]

白色申告者に対しても、記帳制度や記録保存制度が設けられています。 [10]

(国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」)[10]

白色申告でも、帳簿を付けて経費を集め、収支内訳書に書きます。青色との違いは、控除や繰越のような特典が受けられるかどうかです。経費を引けるかどうかではありません。

事業かどうかは、実態で決まります

ここまでの話を、逆から見ておきます。開業届を出していないのに、事業所得として経費を引こうとすると、どこでつまずくのか。

つまずくのは経費の額ではありません。事業の実態です。

条文が「事業」と言っているのは、この部分です。

前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業 [17]

(所得税法施行令第63条第12号)[17]

見ているのは、対価を得て、継続して行っているかどうかです。届出の有無ではありません。

家事と事業が混ざる費用は、分けた部分だけが経費になります。

この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。 [7]

(国税庁「No.2210 必要経費の知識」)[7]

ただし、この区分には白色と青色で差があります。所得税法施行令96条は、家事関連費のうち経費にできるものを2つ挙げています。1号はすべての申告者に、2号は青色申告の承認を受けている人に適用されます。

家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費 [16]

(所得税法施行令第96条第1号)[16]

前号に掲げるもののほか、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費 [16]

(所得税法施行令第96条第2号)[16]

1号の「主たる部分が業務の遂行上必要」とは、どこまでを指すのか。所得税基本通達45−2が判定の仕方を定めています。業務に必要な部分が支出の半分を超えるかどうかで判定しますが、半分以下でも、必要な部分をはっきり区分できれば、その部分は経費にできます。

令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。 [18]

(所得税基本通達45−2)[18]

2号は、青色申告の承認を受けている人だけに足されるルールです。取引の記録などで業務に直接必要だったと示せれば、その部分を経費にできます。家事按分で差が出るのは、ここです。

自宅兼事務所の家賃や電気代が、その例です。全額を経費にせず、業務に使った割合だけを分けます。この区分は、記録がなければできません。開業届の有無より、記録の有無の方が効いてきます。

よくある誤解を、3つ整理します

1つ目は、「開業届を出せば、経費が自動的に認められる」という誤解です。違います。届出を出しても、事業と関係のない支出は経費になりません。私的な食事や家族の旅行は、届出があっても経費になりません。

2つ目は、「開業届を出すと、税金が高くなる」という誤解です。所得が増えれば税額は増えますが、それは売上と経費の結果です。届出そのものが税額を決めるわけではありません。

3つ目は、「開業届の期限は2か月以内」という誤解です。前の節で見たとおり、2か月以内は青色申告承認申請書の期限です。期限は、必ず条文か国税庁の手続案内で確かめてください。

こうすればいい

  1. 事業を始めたら、開業届を出す(期限は、その年分の確定申告期限まで)
  2. 青色申告を使うなら、あわせて承認申請書を出す(1月16日以後の開始なら、開始日から2か月以内)
  3. 帳簿を付け、経費の領収書を保存する(白色申告でも同じ)
  4. 家事と事業が混ざる費用は、業務に使った割合を記録して分ける
  5. 75万円の控除を見込むなら、令和9年分の初めから、優良な電子帳簿の保存かデジタルシームレス保存の要件を満たしておく
  6. 事業所得か雑所得かは、実態で判断する。迷ったら税務署か税理士に相談する

順番としては、記録が先です。経費を認めるかどうかを決めるのは、記録と実態です。届出は、その事業を税務署が把握するための手続です。

まとめ

「開業届を出していなければ経費は認められない」は、ウソです。事業所得の金額は総収入金額から必要経費を引いて計算し(所得税法27条2項)、必要経費の条文(同37条1項)に、届出の有無という条件はありません。事業所得として認められず雑所得になっても、その計算で経費は引けます。

開業届は、事業の開始を知らせる届出です(同229条)。期限は、令和8年1月1日以後に始めた事業なら、その年分の確定申告期限までです。届出がないことで経費が否認される、という条文上の道はありません。

開業届と一緒に、青色申告の承認申請書を期限までに出さないと、青色申告特別控除(いまは10万円・55万円・65万円。令和9年分からは、要件を満たせば10万円・65万円・75万円)や、事業の赤字の3年繰越は受けられません(同144条、同70条、国税庁No.2070)。

経費を引くために必要なのは、事業の実態と記録です。届出は、その実態を税務署に知らせる手続として、あわせて済ませてください。

出典

※ 本文は令和8年10月27日現在の法令・公式情報に基づきます。出典は、法令(e-Gov)・国税庁の公式資料を基本としています。公開後に訂正が生じた場合は、訂正記録をこの記事の末尾に掲載します(訂正ポリシー)。

本記事は掲載日時点の法令・公式情報に基づく一般的な解説です。個別の事案については、お近くの税務署または税理士にご相談ください。