半分ホント

「今なら住宅ローン控除は13年間」は本当?

掲載日:2026年10月19日
分野:確定申告・申告手続

「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、今なら10年だったのが13年に延びたらしい」。住宅を買った人なら、一度は聞いたことがあるかもしれません。

税金の言葉、先に5つだけ

この記事に出てくる言葉を、先にやさしく説明します。

  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)=住宅を買うために借りたお金の年末残高に応じて、所得税が減る制度です。
  • 控除期間=その控除を受けられる年数です。
  • 居住年(入居年)=その住宅に住み始めた年です。年数はこの年で決まります。
  • 認定住宅等=省エネ性能などが高い住宅の総称です。認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の3つをまとめた呼び方です。
  • その他の住宅=認定住宅等(上の3つのいずれか)に該当しない住宅です。

結論

  1. 「今なら住宅ローン控除は13年間」は、半分ホントです。今(令和8年)の入居では、年数を決めるのは、住宅の性能と住み始めた年です。省エネ基準適合住宅(令和10年から令和12年の入居)と「その他の住宅」は、新築か中古かでも変わります。省エネ性能の基準を満たす住宅(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅)なら、新築・買取再販・中古のどれでも13年です。[1][2][4][5]
  2. ただし、新築の省エネ基準適合住宅は、令和9年までに住み始めれば13年です。令和10年から令和12年に住み始めると、控除を受けられません。令和9年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和10年6月30日までに建てられた住宅なら、10年です。[1]
  3. 「その他の住宅」(省エネ基準に適合しない住宅)は、新築なら控除なしです(令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和6年6月30日までに建てられた住宅なら10年)。買取再販住宅と中古住宅なら10年です。[1][2][5]
  4. 買取再販住宅の省エネ基準適合住宅は13年です。[5]

判定は「半分ホント」です。令和8年に住み始める場合、年数を決めるのは、住宅の性能と住み始めた年です。省エネ性能の基準を満たす住宅(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅=認定住宅等)なら、新築・買取再販・中古のどれでも13年です。新築の省エネ基準適合住宅だけは、令和9年までに住み始めれば13年、令和10年から令和12年に住み始めると控除を受けられません(令和9年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和10年6月30日までに建てられた住宅なら10年)。「その他の住宅」は、新築なら控除なし(令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和6年6月30日までに建てられた住宅なら10年)、買取再販住宅と中古住宅なら10年です。

つまり「今なら13年間」は、省エネ性能の基準を満たす住宅(認定住宅等)なら、新築・買取再販・中古のどれでも当たります。外れるのは、新築の省エネ基準適合住宅の令和10年から令和12年の入居と、新築の「その他の住宅」(控除なし)、買取再販住宅と中古住宅の「その他の住宅」(10年)です。年数は、住宅の性能と住み始めた年で決まります。

法律の建前は10年、新築は13年

法律(租税特別措置法41条)の建前は10年です。控除を受けられる年を「住み始めた年以後十年間」と書いています。かっこの中で、令和4年・令和5年の新築などを13年にしています[3]。

居住年(…)以後十年間(居住年が令和四年又は令和五年であり、かつ、その居住に係る住宅の取得等が居住用家屋の新築等又は買取再販住宅の取得に該当するものである場合には、十三年間)の適用年[3]

性能の高い住宅(認定住宅等)については、41条第6項(認定住宅等の特例)が、令和8年から令和12年までの入居(および令和4年から令和7年までの入居)を13年としています[4]。この条項でいう「認定住宅等の新築取得等」には、認定住宅等である既存住宅の取得(中古の認定住宅等)も含まれます[4]。

ただし、新築の省エネ基準適合住宅を令和10年1月1日から令和12年12月31日までの間に住み始めた場合は、41条25項によって扱いが2つに分かれます。①経過措置に当たらない住宅(省エネ基準適合住宅のうち、令和9年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和10年6月30日までに建築されたもの以外。同項はこれを「対象外エネルギー消費性能向上住宅」といいます)は、41条1項の10年が適用されません。控除そのものが受けられません。②経過措置に当たる住宅(同項の「対象エネルギー消費性能向上住宅」)は、41条6項の13年が適用されません。1項の10年が残ります[3]。

同日の属する年が令和四年から令和七年までの各年であり、かつ、その居住に係る住宅の取得等が認定住宅等の新築等若しくは買取再販認定住宅等の取得に該当するものである場合又は同日の属する年が令和八年から令和十二年までの各年である場合には、十三年間[4]

「10年で終わる」という説明は、この後半の特例を知らないまま使うと、外れます。

新築等の年数(国税庁の表)

国税庁の説明(No.1211-1)は、新築等の年数を次の表で示しています[1]。

住宅の区分住み始めた年控除期間
認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)令和8年から令和12年13年
ZEH水準省エネ住宅令和8年から令和12年13年
省エネ基準適合住宅令和8年・令和9年13年
省エネ基準適合住宅令和10年から令和12年控除なし(令和9年末までに建築確認、または令和10年6月末までに建築なら10年)
その他の住宅令和8年から令和12年控除なし(令和5年末までに建築確認、または令和6年6月末までに建築なら10年)

経過措置は後の節で説明します。

令和13年以降に住み始める場合は、今のところ法律に定めがなく、控除が受けられるかは未定です。

「控除なし」は、今の法律にそう書かれているという意味です。これから決まる、という意味ではありません。

この記事は令和8年10月17日現在の法令によっています。今後の税制改正で変わることがあります。

中古住宅の年数は、住み始めた年と性能で変わる

中古住宅(買取再販住宅を除いた既存住宅)の年数は、国税庁(No.1211-3)が次の表で示しています[2]。

住宅の区分住み始めた年控除期間
認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)令和8年から令和12年13年
ZEH水準省エネ住宅令和8年から令和12年13年
省エネ基準適合住宅令和8年から令和12年13年
その他の住宅令和8年から令和12年10年

令和13年以降に住み始める場合は、今のところ法律に定めがなく、控除が受けられるかは未定です。

つまり、中古住宅は、令和8年以降に住み始めるなら、省エネ性能の高い住宅(認定住宅等)は13年、「その他の住宅」は10年です。これは、41条第6項の「認定住宅等の新築取得等」に、認定住宅等である既存住宅の取得が含まれるためです[4]。

中古住宅を買取再販業者から買った場合は「買取再販住宅」として扱われます。年数は新築等と同じではありません(次の節の表で示します)[5]。

新築の認定住宅等は13年、買取再販住宅は新築と少し違う

令和8年以降に新築に住み始めた場合、控除期間は、省エネ性能の基準を満たす住宅(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅)のうち、認定住宅とZEH水準省エネ住宅なら13年です。新築の省エネ基準適合住宅は、令和9年までに住み始めれば13年、令和10年から令和12年に住み始めると控除を受けられません(経過措置に当たるときは10年)。住宅の性能で変わるのは、年数だけでなく借入限度額(控除の計算の基礎になる借入額の上限)です。

新築の省エネ基準適合住宅には経過措置があります。令和10年から令和12年に住み始めても、令和9年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和10年6月30日までに建築されたものは、10年間の控除が受けられます[1]。

新築等の省エネ基準適合住宅のうち、令和9年12月31日までに建築確認を受けたものまたは令和10年6月30日までに建築されたものは、控除限度額が14万円として10年間の控除が受けられます。[1]

買取再販住宅(業者が買い取って改修した住宅)は、新築と少し違います。年数は、国税庁(No.1211-2)が次の表で示しています[5]。次の表の区分は、すべて買取再販住宅のものです。

買取再販住宅の区分住み始めた年控除期間
認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)令和8年から令和12年13年
ZEH水準省エネ住宅令和8年から令和12年13年
省エネ基準適合住宅令和8年から令和12年13年
その他の住宅令和8年から令和12年10年

令和13年以降に住み始める場合は、今のところ法律に定めがなく、控除が受けられるかは未定です。

買取再販住宅の「その他の住宅」は、令和8年以降の入居でも10年です。新築の「その他の住宅」のように控除なしにはなりません。また、買取再販住宅の省エネ基準適合住宅は、令和8年以降の入居でも13年です(新築は令和9年までが13年、令和10年から令和12年は控除なし。ただし、令和9年12月31日までに建築確認、または令和10年6月30日までに建築なら10年)。買取再販住宅は中古住宅の一種ですが、年数はこの表で確かめてください。

控除率も覚えておくと役に立ちます。令和8年以降の入居でも、年末残高の0.7%です[3]。

新築の「その他の住宅」は控除なし

省エネ基準に適合しない新築住宅は、控除なしです[1]。令和6年1月1日以後の入居が控除なしになるのは、41条24項が、省エネに資する家屋以外の住宅(同項の「特定居住用家屋」)の新築または建築後使用されたことのないものの取得を、対象から外しているためです[3]。この規定は新築等に限っているので、中古住宅(既存住宅)の取得は外れません。中古住宅の「その他の住宅」が10年のままなのは、このためです[2]。

個人が、国内において、住宅の用に供する家屋でエネルギーの使用の合理化に資する家屋に該当するもの以外のものとして政令で定めるもの(以下この項において「特定居住用家屋」という。)の新築又は特定居住用家屋で建築後使用されたことのないものの取得をして、当該特定居住用家屋を令和六年一月一日以後に第一項の定めるところによりその者の居住の用に供した場合には、当該個人の同項に規定する十年間の各年分の所得税については、同項の規定は、適用しない。[3]

新築の「その他の住宅」にも経過措置があります。令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和6年6月30日までに建築された住宅は、10年です[1]。

年数以外にも、要件があります

ここまでは年数の話でした。年数は住宅の性能と住み始めた年で決まりますが、控除を受けるには、それとは別に、共通の適用要件をすべて満たす必要があります[1]。主なものは、次のとおりです。

要件内容
床面積50平方メートル以上。40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅も、対象になる場合があります(そのときは、下の所得の要件が1,000万円以下になります)。床面積の2分の1以上を自分の住まいに使っていること。
合計所得金額控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下。
住み始める時期住宅の新築等または取得の日から6か月以内に住み始め、その年の12月31日まで住み続けること。
借入金10年以上にわたり分割して返済する方法になっている借入金であること。

床面積と所得の要件は、国税庁の説明(No.1211-1)では次のとおりです[1]。

次の(1)または(2)のいずれかに該当すること。(1) 下記(2)以外の場合 イ 住宅の床面積(注1)が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。 ロ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、2,000万円以下であること。(2) 特例居住用家屋または特例認定住宅等の場合 イ 住宅の床面積(注1)が40平方メートル以上50平方メートル未満であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。 ロ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、1,000万円以下であること。[1]

40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅が対象になるのは、特例居住用家屋(小規模居住用家屋で、令和5年12月31日以前に建築確認を受けたもの)または特例認定住宅等(小規模居住用家屋である認定住宅等)のときです。このときは、合計所得金額の要件が2,000万円以下から1,000万円以下に変わります[1]。中古住宅では特例既存住宅、買取再販住宅では特例買取再販住宅が、それぞれ同じ役割を果たします[2][5]。

床面積は、登記事項証明書に表示されている面積で判断します。マンションは、階段や通路などの共有部分を含めず、登記事項証明書の専有部分の面積で判断します。店舗や事務所と併用している住宅は、店舗などの部分も含めた建物全体の面積で判断します[1]。

このほかにも、2以上の住宅を所有しているときは主として住まいとして使う住宅であること、生計を一にする親族などからの取得でないこと、贈与による取得でないこと、といった要件があります[1]。

つまり、住宅の性能の区分に当てはまっていても、床面積や所得などの要件を満たさないと控除は受けられません。逆に、要件を満たしていても、年数は住宅の性能と住み始めた年で決まります。見分けの質問は「床面積は50平方メートル以上(40平方メートル以上50平方メートル未満なら、合計所得金額は1,000万円以下)ですか」です。

こうすればいい

自分の控除が何年続くかは、次の3つで決まります。

  1. 新築・買取再販か、中古か。
  2. 住み始めたのはいつか(令和9年までか、令和10年から令和12年か、令和13年以降か)。
  3. 省エネ性能の区分(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅・その他の住宅)。

年数が決まっても、控除を受けられるかどうかは別です。床面積・合計所得金額・住み始める時期・借入期間の要件(前の節)も満たす必要があります[1]。

これから住宅を買う人は、性能の区分を早めに確かめておくと、控除の年数と、新築の「その他の住宅」が控除なしであることを取り違えません。中古住宅は、令和8年以降の入居なら、省エネ性能の高い住宅(認定住宅等)は13年、「その他の住宅」は10年です[2]。

まとめ

「今なら住宅ローン控除は13年間」は、半分ホントです。今(令和8年)の入居では、年数を決めるのは、住宅の性能と住み始めた年です。省エネ基準適合住宅(令和10年から令和12年の入居)と「その他の住宅」は、新築か中古かでも変わります。

  • 新築は、認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)・ZEH水準省エネ住宅なら13年間です。新築の省エネ基準適合住宅は、令和9年までに住み始めれば13年、令和10年から令和12年に住み始めると控除を受けられません(令和9年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和10年6月30日までに建てられた住宅なら10年)[1][4]。
  • 買取再販住宅は、省エネ性能の基準を満たす住宅(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅)なら13年間です。「その他の住宅」は10年です(新築のような「控除なし」にはなりません)[5]。
  • 中古住宅でも、令和8年以降の入居で省エネ性能の高い住宅(認定住宅等)なら13年間です[2][4]。
  • 中古の「その他の住宅」は10年間です[2]。
  • 新築の「その他の住宅」は、控除なしです(令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和6年6月30日までに建てられた住宅なら10年)[1]。
  • 控除率は0.7%です[3]。

13年にならないのは、次の場合です。新築の省エネ基準適合住宅の令和10年から令和12年の入居(現行法で控除なし。ただし令和9年12月31日までに建築確認、または令和10年6月30日までに建築なら10年)[1]、新築の「その他の住宅」(控除なし)[1]、買取再販住宅と中古住宅の「その他の住宅」(10年)[2][5]です。年数だけを覚えるのではなく、自分の住宅の性能と住み始めた年で確かめてください。


出典

※ 本文は令和8年10月17日現在の法令・公式情報に基づきます。出典は、法令(e-Gov)・国税庁の公式資料を基本としています。公開後に訂正が生じた場合は、訂正記録をこの記事の末尾に掲載します(訂正ポリシー)。

本記事は掲載日時点の法令・公式情報に基づく一般的な解説です。個別の事案については、お近くの税務署または税理士にご相談ください。